1000円程度の小銭で養う我が教養の成果は、
半径5キロ以内の日常的な自転車移動のたまものである。 古本屋、例えばブックオフ。 私は店内をくまなく見て回る。 100円200円の値札の世界にも カントの「純粋理性批判」やヘーゲルの「精神現象学」はあり、 マルクスもニーチェもデリダもジジェクもチョムスキーもある。 ジョイスだってピンチョンだってある。 店内を巡り、厳選した2、3冊を手にとる。500円。 私の「500円大学」。 そして店を出る前に必ずやる事がある。 店内のあちこちに点在する 郷ひろみの『ダディ』、これを1ケ所に集めるのだ。 必ず1店鋪につき3冊から5冊はある。 私はバラバラになっている『ダディ』を店の入口付近の棚に 目立つようにキチンと並べるのである。 この行為は私なりの芸術活動であり、 資本主義社会に対するアイロニーである。 私はこの行為を続けて、もう3年になるが、 「ダディ」は依然として無くならない。 古本市場にいまだ数多く点在するメディアの捨て子。 私はこの子らを発見する度に、弔いの気持ちを込めて 人知れず、そっと、1ケ所に集めるのだ。 だからどうということは とくに無いのかも知れないが。 ■
[PR]
by the_egon
| 2005-10-16 00:38
|
ファン申請 |
||
外部サイトRSS追加 |
||